近年、ランニングシューズ市場では厚底シューズが注目を集めています。
特に2017年、ナイキが「ヴェイパーフライ」を発売したことで、厚底シューズの人気が急上昇しました。
本記事では、厚底シューズの台頭がランニング界に与えた影響や、その魅力について詳しく解説していきます。
技術革新が生んだ厚底シューズの進化
2017年5月に「Breaking 2」でエリウド・キプチョゲ選手が2時間00分25秒の記録を樹立(未公認記録)。
そこで履かれたシューズが同年7月に「ヴェイパーフライ 4%」として登場。
厚底シューズは技術革新と市場の需要に応じて進化し、ランニングシューズ市場に新たな風を吹き込んだ
生きる伝説
かつて、マラソン2時間の壁を破るというエリウド・キプチョゲの夢は、あまりにも無謀なものに見えた。
しかし、2019年10月12日、ついに人類が2時間の壁を破った。
このレースは国際陸連の非公認のため世界記録には認定されませんでしたが、キプチョゲ選手は1時間59分40秒という驚異的なタイムでゴール。
彼は「目標に向かって努力し続ければ、不可能なことはないと」と自らの走りで証明したのです。
厚さは速さだ
日本で厚底シューズに注目が集まったのは、キプチョゲ選手の偉業から2カ月後の2020年箱根駅伝でした。
多くの選手が厚底シューズを履き、次々と区間新記録を更新。
その圧倒的な結果から、日本でも本格的に厚底シューズが取り入れられるようになりました。
箱根駅伝の影響力は絶大で、この大会をきっかけに日本のランニング界にも厚底ブームが広がったのです。
厚底シューズの影響力
魔法のように次々と好記録を生み出す厚底シューズは、一方で議論も巻き起こしました。
2020年1月、国際陸連が東京五輪でのナイキの厚底シューズを禁止する可能性があると報道され、世界中で注目を集めました。
しかし、すでに多くのトップ選手が使用していたため、最終的に「ソールの厚さ40ミリ以下」などの条件を満たした市販品のみ使用が許可されました。
厚底シューズは競技のルールを変えるほどの影響力を持つ存在となったのです。