ジャック・ダニエルズの「ランニングフォーミュラ」ではポイント練習が注目されがちですが、箱根駅伝の強豪校では、アーサー・リディアードの理論が重視されています。
本記事では、運動生理学の視点から詳しく解説します。
LTペースでの有酸素トレーニング
アーサー・リディアードが推奨する有酸素トレーニングは、比較的速いペースで行われる「LTペース」付近の持久走を指します。
生理学者の実験によると、特定の筋肉群を2時間以上動かし続けることで、休眠状態の毛細血管が開き、新たな毛細血管が形成されることが確認されています。
リディアードは、この2時間のランニングは分割せず継続することが最も効果的だと述べています。
無酸素トレーニングのバランスと有酸素トレーニングの重要性
リディアードは、インターバルやレペティションなどの無酸素トレーニングの過剰な実施には注意が必要だと述べています。
これらのトレーニングが免疫機能を低下させ、練習への意欲を減少させる可能性があるためです。
最適なスタミナ向上には、週160キロのランニングが効果的で、疲労回復のために同じ距離のゆっくりとしたペースで走ることを推奨されています。
箱根駅伝の強豪校では合宿で1000キロを超えることもあり、本気で頂点を目指すには、それに見合った練習が求められます。
距離走とインターバルトレーニングの効果的な組み合わせ
日本の中高生は、距離走よりもインターバルで最大酸素摂取量を高める方法を選択することが一般的です。
しかし、ヤコブ・インゲブリクトセント選手は12歳の時点で週間180キロを走っていたことが知られています。
幼少期から計画的に距離を伸ばし、基礎を積み重ねたからこそ可能だったのでしょう。
最後に、リディアードが著書で述べた言葉を引用して締めくくりたいと思います。
「誰でも楽しんで走っていれば、有酸素ランニングをやりすぎることはない。」
走ることを楽しんで、自分のペースで進んでいきましょう!